以前から気になっていたマビックミニを買いましたので「レビュー」します。
「ドローンは気になるけど難しそう」「安いトイドローンを買ってみたものの、ぜんぜん飛ばせられなかった」という人や、これからドローンを始めたいという方に、現役のドローンオペレーターが自信をもって推奨します
よくドローンの練習機に何を買ったらよいか相談をうけますが、マビックミニが発表される前はRyze TechのTelloかParrotのMamboを推奨していました
確かに1万円台で買える手軽な練習機といえばTelloかMamboになるのですが、空撮の練習やある程度の上空を自由に飛ばしたい方のスキルアップ目的には適していないです どらかというと、舵の練習(スティック操作)や飛んでいる雰囲気を味わうことに適しています
マビックミニはローターガードさえ付けていれば室内でも圧迫感を感じずに練習することができ、屋外に至ってはコンシューマー機に負けず劣らずの機体性能で自由に空撮や上空飛行を堪能することができるので、今ならマビックミニをオススメします
いままでのトイドローンのイメージを変えてしまったDJIマビックミニの良いところ、悪いところ含めて紹介していきたいと思います
この記事の目次
スペック
超軽量199 g
国土交通省による飛行申請許可が要らない
最大18分の 飛行時間
Li-ion(リチウムイオン)の表記をしていますが、Li-po(リチウムポリマー)です
最大伝送距離2 kmのHD動画伝送
機体を遮るものや電波干渉が強いほど伝送距離は極端に弱くなります
ビジョンセンサーとGPSによる正確なホバリング
ビジョンポジショニングセンサーと赤外線センサーは直下の地面・床面の模様を把握して姿勢制御をするシステムでGPSによる位置情報が無くても機体を維持し、さらに下方の障害物を検知すると上昇して回避します
ビジョンセンサーと赤外線センサー、GPSでより安定した飛行を実現します
3軸ジンバル搭載 2.7Kカメラ
機体がどんな姿勢でもカメラの位置を水平に保ち、まったくブレがない写真や動画撮影を行うことが出来ます
詳細スペック
マビックミニを購入した理由
プロも唸るトイドローン
ドローンと言ってもネットショップで検索するとかなりの種類があり、これからドローンを始めたいと思っている人は間違いなくどれを買っていいかわからないでしょうね。
私がマビックミニを購入した理由は一つしかありません
現時点で一般人が買えるトイドローンとしては最高性能だからです
今のところ比較対象とする機体が見当たらないほど、性能が特化しています
航空法適用外の200g以下によくぞ詰め込んだという感じですね
撮りたいときにパッと出して撮る
数年前には考えられない空撮環境です
スタンダードとフライモアコンボ
マビックミニにはスタンダードとフライモアコンボの2種類が販売されています
違いは付属品だけです
性能的に劣るわけではないので、ご自身の用途に合ったほうを選べばよいと思います
スタンダードセット
- 機体 ×1
- 送信機 ×1
- コントロールスティック 予備 ×1
- インテリジェントフライトバッテリー ×1
- 予備のプロペラ1組
- ネジ ×6
- micro USB Type-B ケーブル ×1
- micro USB Type-B To Lightning /To micro USB Type-B / To USB Type-C ケーブル 各×1
- プロペラ交換用ドライバー
- 日本語マニュアル
スタンダードセットは充電器が付いていないので、機体に装着したままmicroUSBケーブルで充電します
バッテリーが1個しかなく総飛行時間が短くなっていますので注意が必要です
必要なものは後から買い足すつもりで、手軽に飛行したい方に向いていますね
フライモアコンボ
- 機体 ×1
- 送信機 ×1
- コントロールスティック 予備 ×1
- インテリジェントフライトバッテリー ×3
- 予備のプロペラ3組
- ネジ ×18
- USB充電器 ×1
- micro USB Type-B ケーブル ×1
- USB Type-C ケーブル
- micro USB Type-B To Lightning /To micro USB Type-B / To USB Type-C ケーブル 各×1
- プロペラ交換用ドライバー
- 日本語マニュアル
- 専用ローターガード
- 2wey充電器
- キャリーバック
フライモアコンボを買っておけば買い足すものがほぼ無い完璧なセットになります
バッテリーは3個付属していますので、次フライトのバッテリーを充電しながら作業でき、必要十分な飛行時間を確保できます
キャリーバックにはローターガード以外すべてコンパクトに収納できるので外出には重宝しますね
こちらを買っておけば間違いないでしょう
マビックミニの特徴
軽量コンパクト
折り畳み時は今どきのスマートフォンよりも小さくなります
DJI sparkと並べてみました
飛行形態はsparkよりも一回り大きいですが、収納時はコンパクトになります
トイドローンらしからぬ高性能カメラ&3軸ジンバル
本格的な3軸ジンバルを搭載したトイドローンはマビックミニが初ではないでしょうか
せいぜいチルトだけとか、前方固定が多いですね
2軸ではなく、3軸ジンバルというのが個人的には最大の特徴かなと思います
機体性能以上に他のトイドローンとの決定的な差を生むアプリ [ DJI Fry ]
マビックミニの基本アプリは [ DJI Fly ] というアプリケーションを使います
スマーフォンやタブレットにインストールし、送信機と有線で接続して使用します
主な機能
- 機体の基本設定
- 画像のモニタリング
- 操作モードの切り替え
- フェイルセーフの設定
- カメラの設定
- ジンバルの設定
- 飛行記録閲覧
- 機能チュートリアル
- 動画の編集 等々
飛行に関する設定や操作の基本となるアプリです
androidとIOS版があります
4つの撮影モード [クイックショット]
クイックショットはオートで動きのある迫力満点の撮影ができるモードです
- サークル
- ヘリックス
- ドローニー
- ロケット
サークル
被写体を固定して、周りをグルっと回りながら撮影するモードです
スティック操作で撮影するには熟練した腕が必要ですが、いとも簡単に自動で撮影してくれます
ヘリックス
サークルの応用版で、らせん状に回転しながら上昇していきます
ドローニー
被写体を捉えつつ、後方に下がりながら上昇していきます
被写体が小さくなっていき、周りの風景が広がっていくイメージですね
ロケット
カメラを真下に向けて、上昇していきます
飛行の手ごたえ
飛行モードは3種類
- Sモード
- Pモード
- Cモード
Sモード(スポーツモード)
機体が俊敏になり、飛行速度が大幅に増加します
遠くまで機体を飛ばすときの時間短縮や、1フライトでより多くのアクションを行うのに使用するとよいでしょう
Pモード(ポジションモード)
通常はこちらのモードですね
最初はPモードでも速く感じるかもしれませんが、慣れてくると屋外ではSモード主体になってくると思います
目視できる範囲ならPモード
距離を行くならSモード
Cモード(シネスムースモード)
動きがまったりとして、動画撮影に適したモードです
手荒なスティック操作をしても、機体がワンテンポ遅れてゆっくりと動作するので、初めてドローンを飛ばす方はCモードで感覚を身につけるのもありですよ
バッテリーの持続時間
バッテリーはスペック表で18分となっていますが、屋外飛行していると実際には10分ほどで残量20パーセントを切ります
室内 定点ホバリング 11分18秒で 残20%
13分1秒で 自動着陸
室内 ローターガード装着 定点ホバリング 8分12秒で 残20%
9分7秒で 自動着陸
室内なので自動着陸ですが、ホームポイントが記録されていればリターントゥホームとなります
残20%から極度のローバッテリー警告まで、わずかな時間しかありません
画像伝送
画像伝送距離が公式だと2kmとなってますが見通しが良くても800mぐらいでチラついたり遮断したりします
あくまで画像が途切れるのであって、送信機と機体の電波さえ生きていれば操縦は可能ということです
電波を遮るもの、悪影響を及ぼすものがあると極端に短くなります
たとえば
- 山影
- 建物の裏
- 電線や高圧線、鉄塔の近く 等々
画像が途切れた場合DJI FRYアプリによる機体の状態確認ができなくなるので、速やかにリターントゥホーム(RTH)をかけて、ホームポイントに自動帰還させることを推奨します
送信機と機体の電波が途切れた場合も、自動的にRTHがかかり自動帰還します
実際に飛ばしてみると、マビックミニの機体安定感は素晴らしいの一言につきます
バッテリーも10分持てば、1km行って帰ってくるぐらいは十分持ちますね
多少の風にも定点で安定し、スティック操作も癖がなく素直な感覚で飛行することができました
マビックミニの残念なポイント・良いところ
残念なポイント
ドローン全般に言えるのですが「風に弱い」という避けては通れない悲しき特徴があります
機体が軽ければ軽いほど風による影響が強いです
押し戻されたり、前に進まなかったり、機体のコントロールが制御不能になり最悪墜落ともなりかねません
風速4~5mもあれば慣れていない人は飛ばすのに四苦八苦します
風下へは進んでいきますが、風上はカメになるでしょう
とはいえマビックミニの安定感は素晴らしく、体感で風速6~7mぐらいでもある程度飛行することが出来ます
ブラシレスモーターの威力と制御装置が効いているということですね
DJI純正の自動航行アプリDJI GSPro に対応していないので、あくまでもマニュアル飛行が基本となってます
DJI Mavic Mini
スタンダードセットで¥45,500
フライモアコンボで¥59,400
一般的な感覚だと「玩具としては高い」と思うかもしれません
ですが、200g以下のトイドローンで、このスペックは販売されていないのと、価格的にもコストパフォーマンスは現時点で最高です
下方障害物検知は付いているのですが、肝心の前方や側方には付いていないのが残念なポイント
スマホによってはmicroUSB端子の向きが上下逆のものがあります
USBタイプCやライトニングケーブルは上下関係ないので装着できますが、microUSB端子を使っているandroidスマホは要注意
平たい方が背面側の向きじゃなければ、ケーブルが装着できません
別途、変換ケーブルや延長ケーブルを用意しないとダメですね
良いところ
ローターガードを付ければ機体も壁も家具もキズ付けることなく自由に飛ばせます
純正のローターガードはガッチリして剛性がしっかりあるので、安心してフライト出来ますよ
注意点はダウンウォッシュ(ローターが吹き上げる風)は、相当ありますので部屋の掃除をしてからフライトした方がよいと思います
機体・プロポ・バッテリー・充電器・USBコード・予備のプロペラが一つのケースに収まる
手持ちのスマホがあれば、すぐに空撮が可能です
ビジョンポジショニング・GPS・6軸ジャイロによる安定性
数年まえまではトイドローンの性能といったら、6軸ジャイロのみとか、付いていても気圧高度センサーぐらいで、定点ホバリングが出来ないものばかりでした
少し高いものでもGPSだけとか、ビジョンポジショニングだけついているものはありましたが、コンシューマー機並みに全部入りという機体はトイドローンクラスでは販売されていなかったはずです
機体や送信機、DJI Flyは常にアップデートが行われます
機能の追加や不具合解消をしてくれるので、機体を立ち上げたらファームアップデートがあるかチェックしましょう
楽しく快適に飛行をするためのお願い
無理をしないで余裕を持った飛行
よく残量ギリギリまで飛ばしてチキンレースみたいな動画がチラホラと見かけますが、いつか必ず落ちます
トイドローンが軽いとはいえ、どこに落ちるかもわからず、もし人に接触して怪我でもしたらと思うとゾッとしますね
低電圧アラームに頼らずに余裕をもって帰還させましょう
バッテリー残量を常にチェック
Lipoバッテリーに限らず、どんなバッテリーでも残量が0になると充電されなくなり廃棄となります
DJIのインテリジェントバッテリーは内部に基盤が組み込まれていて、使わなくても微弱ながら常に放電しています(自動放電機能)
長期保管する場合は定期的にインジケーターを確認して必要に応じて、追い充電してください
バッテリーは消耗品なのでいくら大事に扱っていても、内部にガスが発生して膨らんできたり、満充電にならず飛行時間が短くなっていきます
早めに見切りをつけて廃棄するようにしましょう
電源を入れたときにホームポイントが登録されるまで機体を移動させないこと
もしホームポイントが登録される前に機体を発進させ、飛んでいる最中のとんでもない位置にホームポイントが設定されてしまうとリターントゥホーム(RTH)が発動された時、あらぬ方向に帰還してしまうので注意が必要です
RTHの帰還高度は周囲の物件よりも高く設定しないと激突して墜落の危険性があります
高度はホームポイントからの設定です
忘れずにDJI保険に入りましょう
DJI製のドローンには無償付帯賠償責任保険が1年間付いています
ご自身で登録しなければなりませんが、面倒がらずに必ず入りましょう
登録の際にシリアル番号が必要になりますが、製品の箱や機体の内側(バッテリーの装着部蓋裏)に表示しています
AEROENTRY DJI公認ドローン保険
DJI Care Refresh
まとめ
ゆくゆくは大型ドローンを飛ばすための練習機に
子供のころから空物が大好きだった人
趣味で空撮を始めたい人
一度挑戦して挫折した人
最近では農薬散布ができる産業用ドローンが普及し始めていますが、仕事でどうしても覚えなければならない人の練習機やドローンの基礎を勉強するために、初めての機体として打ってつけです
最近のトイドローンは進化が目覚ましくマビックミニはトイドローンの完成形といってもよいでしょう
いろいろな制約はありますが、普段目にしない角度からの映像や機体を自由に操作する楽しさを是非知っていただきたいです