VR元年といわれた年から数年経過しました
昨今では一部の熱狂的なユーザー以外、話題に上がることも少なくなりましたね
ですが、VR普及の起爆剤になるかもしれないHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が発売されました
Oculus Quest 2は初代Oculus questのスペックを上回ったにも関わらず、価格が安いときたら購入するしかないでしょう
最安値の64GB版で¥37,180は初代questの1万円以上安く、Nintendo SwitchとPS5(Digital Edition)の同価格帯です
VRの基本を押さえながら、開封レビューしていきたいと思います
この記事の目次
そもそもVRとは
virtual realityの略というのは、一般的にかなり浸透しているのではないでしょうか?
一度は体験しているか、メディアや知り合いから情報を得ているかもしれません
少しおさらいしていきましょう
HMD ( ヘッドマウントディスプレイ) と呼ばれるゴーグルの中にモニターが搭載されているデバイスをかぶり、PCで作られた3Dグラフィックや360°カメラで撮影された映像を映し出して、3次元空間を疑似体験できるというもの
2016年に誰が言い始めたかわかりませんが、VR元年なんて言葉が出てきました
その後はちょこちょことメディアに取り上げられてはきたものの、爆発的な旋風を巻き起こすほどではありませんでした
今となっては懐かしい[ 3Dテレビ ]が話題にも上らなくなった昨今、同じ道を歩むかと思いきや、実は発展途上でこれからまだまだ伸びていく分野です
医療や企業、スポーツ業界などVRを活用した取り組みが活発になっています
まだまだ捨てたもんじゃありませんよ
VRの種類
VR機器といってもトラッキングの仕組みや、外部PCで処理するもの、HMD内で処理するもの等、仕様が異なるものが存在します
ヘッドトラッキング
3dofと呼ばれているもの
ヘッドセットに内蔵している加速度センサーやジャイロセンサーを利用して、3D空間内と現実の頭の傾きや方向をシンクロさせます
主にスマホ搭載型やコントローラーが付いていないHMDは3dofが多いです
ポジショントラッキング
6dofと呼ばれているもの
HMDと付属するコントローラーや別途のトラッキングデバイスを利用して、頭と手や腰、足などをシンクロさせます
ポジショントラッキングは更に2種類の方式があります
アウトサイドイン方式
外部センサーでHMDとトラッキングデバイスを認識して利用します
トラッキング精度が非常に高いです
主にハイスペックパソコンに繋げるPCVRに多いです
インサイドアウト方式
外部センサーの代わりに、HMDに搭載された複数のカメラによってトラッキングデバイスを認識して利用します
アウトサイドイン方式よりトラッキング精度は落ちますが、外部センサーを必要としないメリットの方が大きいです
VR機器の種類
スマホをセットするタイプ
3dof方式
手持ちのスマーフォンを搭載してVRを楽しめます
非常に安価で、とりあえずVRを試してみたい方にオススメです
PCに接続するタイプ
6dof アウトサイドイン方式
6dof インサイドアウト方式
ハイエンドPCに有線接続して高品質なVRを楽しめます
オールインワンタイプ
3dof 方式
6dof インサイドアウト方式
スマホもPCも要らないオールインワンタイプは無線式でスタンドアローンなVR-HMDです
Oculus Quest 2はどのタイプ?
Oculus Quest 2は・・・
- オールインワン
- 6dof
- インサイドアウト
スタンドアローンタイプ
初代Oculus Questの後継機で64GB版と256GB版が販売してます
Oculus Quest 2で何が出来るの?
まずは定番のVRゲームですね
一般的に思い浮かべる仕様方法といったら大抵の人はゲーム目的に購入されている方がほとんどではないでしょうか
ゲームの中に入り込んでプレイしている感覚は今までに体感したことのなかった感動すらあります
VR空間内で自分だけの大画面で動画の視聴が出来ます
youtubeやAmazonプライムビデオ、DMM動画のアプリがプリインストールされています
ブラウザーからdtvやdアニメ、Huluの視聴も良いですね
ダイエットというと大げさですが、アプリによっては体を動かすものが多く揃っています
テレビゲームは画面の前でコントローラーを操作するだけなので、体はほとんど動かないですよね
VRゲームは体を使って操作をするものなので、短時間で汗だくになります
運動不足解消に一役買うこと間違い無しです
VRチャットが有名ですが、続々とアプリが増えていますので自分に合ったVRコミュニケーションツールを探すのも良いですね
Infinite Office
在宅ワークのツールとしてVR機器の期待が高くなっています
VR会議が出来る既存のアプリも有るのですが、リモートワークに特化した「Infinite Office」というアプリがOculus Quest 2に実装される予定です
通勤しないで仕事が出来る時代になってきてますが、VRやARが一役買う時代になるのですね
スペック
初代questとの比較
主にスペックアップしているのは・・・
- ディスプレイ解像度
- リフレッシュレート
- SoC
- RAM
- 重量の軽量化
- 価格設定
ディスプレイが有機ELから液晶ディスプレイにダウンはしていますが、解像度がアップしているので高精細になってます
たった一年半でこれだけのスペックアップを果たし、尚且つ価格を大幅に下げているのには拍手喝采ですね
特徴
オキュラスクエスト専用ストア
アプリはquest専用のストアから購入します
無料からフルプライスまで、現在はジャンルも豊富に揃っていますので物足りなさは感じないはずです
オールインワン
PCVRはハイスペックパソコンにHMDを有線で繋いで、PCにソフトウェアの処理をさせHMDに画像を映し出し操作をしますが・・
Oculus Quest 2はHMD内にQualcomm Snapdragon XR2というSoC(CPUやGPU、I/Oなどをワンチップにした半導体)が組み込まれており、ソフトウェアの処理がHMD内部で完結するので、Oculus Quest 2だけあればVRが出来るということです
ハイエンドのスマートフォンが中に入っているイメージで良いかと思います
ケーブルレス
PCVRのようにパソコンにケーブルを繋げなくてよいのでストレスフリーです
ケーブルの有無はVRを体験するにあたって非常に重要な要素で、無線式は初期のVR機器を使っていたユーザーの悲願でした
長いケーブルを天井から吊るしてみたり、あの手この手でケーブルの存在を亡き者にしようと努力をしたものです
足に絡まったり体に巻き付いたり不意にケーブルが引っ掛かり壊れそうになったりしません
ハンドトラッキング
ハンドトラッキングとはコントローラーの代わりに現実の自分の手でVR内を操作することが出来ます
HMDのカメラで手の動きをキャプチャーして反映させるという仕組みですが、対応するアプリが現時点ではほとんど無く、数種類のアプリとホーム画面ぐらいしか活用できません
トラッキング精度も悪く思うように操作が出来ないのが現状です
今後に期待というところですね
PCVRのソフトウェア起動「Oculus Link」
Oculus Quest 2は単体でVRを体験出来るのが最大の魅力なのですが、実はハイスペックPCとUSBケーブルで接続すると高品質なPCVRのソフトウェアが起動できます
ソフトウェア処理はPCが行うので、quest専用アプリとは次元が違う高品質なVR体験が可能です
Oculus Quest 2さえあれば、世の中のほとんどのVRソフトウェアが起動するということですね
コンテンツが大幅に増えるので、是非PCと連携させて体感していただきたいです
現在主流はPCVRシステムですが、Oculus Quest 2のようなオールインワンタイプでPCVRのアプリケーションも起動出来るVR-HMDが今後主流になっていくと思います
豊富なアクセサリー
公式ストアからいろいろなアクセサリーが販売しています
社外品でも安く似たようなアクセサリーが売っています
面白いアイデア商品もあるので検索するのも楽しいですよ
開封
届いたOculus Quest 2を開封していきます
歴代一番の箱の小ささです
IPD調整
瞳孔間距離の調整は3段階方式になりました
初代questは無段階だったのですが、Oculus Quest 2はカチッカチッと3か所の固定位置で収まるように変更されました
3か所の内どれかで合う人は良いのですが合わない人の裏ワザとして、カチッとして止まるところじゃなく途中で止めても動くことは無いので、実質無段階のように調整することが出来ます
なかなか合わない人はお試しください
使い心地
Oculus Quest 2を最初に起動させてホーム画面を見た時の第一印象は、網目がなくクッキリとした画面になったかなという印象です
初代questの初見はOculus Riftのようなぼやけが無く随分綺麗になったなと感心したのを思い出しました
Oculus Riftから初代questの画面を見た時ほどの感動はありませんが、Oculus Quest 2は確実に初代questよりスペックアップを実感できます
解像度アップの効果と液晶ディスプレイになったことで、網目がほとんど無くなり目に優しく、なんとなくVR酔いも軽減されたような感じです
Oculus LinkでPCVRのプレイも遅延が無く、専用機器と全く遜色ないというか、プレイ感覚は超えているのではないかと思うほどです
残念なポイント
白いというのは初代questと比べて画像が白っぽいのです
有機ELと液晶の違いで致し方ないのですが、ゲームによっては顕著に差が出ます
例えば、ホラーや宇宙が題材のゲームをすると差がはっきりとわかります
有機ELの漆黒の黒や鮮やかな赤の表現が出来ないので、初代questユーザーはそこが気になるかもしれません
私的には結構なマイナスポイントだと思います
ゴムバンド方式に変更されたのですが、HMDが動かないようにきつく締めると眼球回りや頬骨回りに負担がかかり、長時間の使用が苦痛になってきます
ゆるければHMDがズレてしまうので丁度良い調整が難しいですね
別途Eliteストラップを買う選択肢もありますが、付属のもので何とかしたいのが心情です
新規でOculus機器のアカウント登録にはFacebookアカウントで登録しなければなりません
今までOculus RiftやOculus Goといった機器を使うために使用してきたOculusアカウントでOculus Quest 2に入ろうとしても受け付けません
実はセットアップの過程でOculusアカウントとFacebookアカウントを統合するような流れになっています
今までOculusアカウントでOculusストアのゲームを買っていた人はライブラリーを引き継いでそのままFacebookアカウントでログインしても使用できるように変更されました
この変更が良いか悪いかは賛否が分かれるところですが、概ね良い方向とは言えないですね
設定で検索できなく出来るとはいえ、「強制」が良くないです
ユーザーに選択肢を与えても良いかなと思います
オススメポイント
- 64GB版 ¥37,180
- 256GB版 \49.280
初代questが発売当時64GB版\49.800で1万円以上安く、128GB版\62.800しかなかった上位版が256GBに容量アップしたにもかかわらず、こちらも1万円以上安くなりました
私は64GB版を買いましたが、アプリを大量に保存したい方や動画をダウンロードして撮り溜めたい方は256GB版を選択するのもありです
3万円台になったことで、随分手の届く価格になったという印象を受けますね
PCが必要ないので、どこへでも持ち運び自由です
例えば、親戚の家や友達の家に持っていきVR布教活動を行うことも出来ます
私は出張に持っていき滞在先のホテルで使おうかなっと・・・
今までOculusシリーズは公式サイトかネット通販でしか購入出来なかったのですが、店頭販売が出来るようになり、一般の人が目につきやすく購入しやすくなりました
現在は品薄状態が続いていますが潤沢に商品が出てくるようになったら、ちょっとしたアクセサリーとかを直ぐに買いに行けるようになります
はたして買うべきか?
間違いなく「買い」でしょう
安価に本格的なVR機器を求めている方は、Oculus Quest 2一択になるはずです
しかし、既にHTC VIVEシリーズのようなハイエンドHMDを持っている方にオススメできるかというと微妙なところですね
外部センサーによるトラッキング精度にはまだ追いついておらず、VIVEトラッカーを用いた全身トラッキング(フルトラッキング)が出来ないので買い替えるという選択肢はないです
旧世代のOculus RiftやRift sからの買い替えは十分にありですね
既に初代questでオールマイティに使用出るようになったのですが、更にスペックアップしたOculus Quest 2一台あれば、据え置きの機器は必要なくなるかもしれません
PCVRしか出来ないHMDをこれから買うより、スタンドアローンでPCと接続できハイエンドなコンテンツを使用できるOculus Quest 2は、間違いなく「買い」です
まとめ
Oculusシリーズ最高スペックで高コストパフォーマンスのOculus Quest 2は、今までVRに興味はあっても高価で二の足を踏んでいた層に刺さる値段で発売されました
これから世界中で売れていくでしょうね
VR機器が売れていくとコンテンツの質が飛躍的に発展していきます
一家に一台VRという時代が来るかもしれませんね